雨上がりのヒツジ

ステージ4乳がん多発性肺・骨転移闘病記

Mr. 80%

ピッコロの母

スマートフォンでアメリカのNPR(National Public Radio)を聴くことを習慣にしているが、今日犬の散歩をしながら聴いたとある男性のインタビューが興味深かった。


その男性は自らをMr. 80%と称していると語った。


男性は20年前、40代の時に前立腺がんを患い、何とか手術を回避してホルモン治療で寛解までこぎつけた。当該部位のがんは性生活・生殖活動に多大な影響を及ぼすため、他部位のがんとは違った問題をはらむ。当時男性は夫婦で性生活への影響についてカウンセリングを受けた。その際、「夫婦生活の満足度をマックス100%とするならば、現在何%ですか」と質問された時、妻は80%と答えたそうだ。


80%ならかなりの満足度の高さだと思うのだが、男性は妻の答えにややショックを受けた。男性自身は90%位を想定していたからだった。"Mr. 80%" とは、"男性としての機能が十分でない自分" という自虐的な意味だった。夫婦生活に重きを置き、それが機能しない事が当然のように離婚の理由となりうるアメリカらしいエピソードだった。


例えば乳がんは認知度も高く世界的な啓蒙活動も盛んだが、前立腺がんはそれに比べあまり注目されず目立たない。患者側も男性機能に関わる問題として、自らの経験を語り共有することにためらいや恥ずかしさを感じてしまう。その問題に切り込まない限り、前立腺がんに対する理解は深まらないと男性は語った。


確かに確かに、とうなずきながら歩いた。