雨上がりのヒツジ

ステージ4乳がん多発性肺・骨転移闘病記

服薬での失敗

ピッコロの母

治療内容やそれに伴う症状によって何種類かの薬を処方されるわけだが、服薬にあたってある時大きな失敗をしてしまったことがある。


朝、仕事に行く前にいつも通りばたばたと薬を飲んで車に乗り込んだ。車庫から車を出すとき、慣れた動作なのにうまく切り替えせずに壁にこすってしまう。前を走る車やセンターラインが二重に見えて、運転がふらついてしまう。


何かがおかしいと思うものの、心当たりがない。そして数日後、通院のために自動車道路を走行している時、突然意識がもうろうとしてしまい、センターポールに車体の右側がぶつかった衝撃で我に返った。


その時はっと気づいた。ここ数日間、朝からホルモン剤だと思って飲んでいたのはひょっとして睡眠導入剤じゃなかったかと。帰宅して確認したところ、やはりそうだった。睡眠導入剤は入院時に夜眠りやすくするためと処方されていたのだが、退院して必要なくなってからも自動的に処方されていて、薬袋の中に他の薬と一緒に保管していた。そしてこの2種類の錠剤は酷似していた。


幸い軽い自損事故で済んだが、大事故になる可能性もあったのだと、背筋が凍る思いだった。


薬剤師には自分の不注意で薬を間違えて飲んでしまったと事の顛末を説明し、チームで共有頂きたいとお願いした。そして、似ている薬が処方される場合患者へ注意喚起して頂けると、私のようなうっかり者にとって助かりますと控え目にお願いした。叱られることを覚悟したが、その後特に何の話もなかった。チームでの共有がなされたのかは分からない。


夫には白状した。当時高校生で毎朝駅まで車で送っていた下の娘は、私の異常な運転に気づいていて、後部座席で恐怖におののいていたらしい。母には心配をかけたくないと思い何も話さなかったが、用事があって家に来た時に私の車に傷がついていることに気づいたようだった。そして、母からさりげない調子で通院の送迎の申し出があり、今は母の付き添いで通院している。