雨上がりのヒツジ

ステージ4乳がん多発性肺・骨転移闘病記

病気になっても性格はそのまま

がんを含め、重い病気と闘っている人々をメディアが取り上げることがあるが、
同じ患者として複雑な気持ちになることがある。


画面に映し出されたり語られたりする彼らは、前向きで、ひたむきで、素直で、周りに感謝し、イノセントで、基本的に「善なる、励ましたくなる存在」として描かれている。
正直、闘病患者が皆こんな感じだと思われたら困るなぁ、と思う。


当事者及びその家族にとっては自明のことだが、闘病患者が必ずしも善なる存在というわけではない。


意地悪だったり、
計算高かったり、
自堕落だったり、
嫉妬深かったり、
攻撃的だったり、
高飛車だったり、
図々しかったり、
欲張りだったり、


私を含め、ダメな部分を持つ人達も多くいるわけです。
病気になる前からのキャラクターが病気になったからといってがらっと変わるわけではなく、いやな奴はいやな奴のままである。大病してから人生観が180度変わり仏のように変貌した、という話も聞くが、稀なケースだと思う。


がんになって周囲から「気の毒な人」「病気なのに頑張っている人」という目で見られ、そんなイメージを壊しちゃいけないとちょっと演じていた時期もあった。
結局、そういう無理な演出は続かず、本来の自分に戻った。


あなたが知っている病人が上記のような「励ましたくなる存在」じゃないと分かってもがっかりせず、元々そういう性格だと理解して欲しい。そして、性格の悪い病人はきちんと指摘するなり、叱るなり、疎遠にするなりしてもらった方が、本人のためだと思う。